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ベア作家的きままな日常

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商業施設で感じること

昨日で地震から一週間。
一週間前の今頃はまだこの地震がどの程度の規模か、そしてどんな災害があったのかほとんど知らずにただただ夜が明けて電車が動き出すのを待っていました。
私の不安だったこととか、被災地の方に比べればほんとうに些細なことなのでしょうけど、それでも私の中では一大事だったのです。
慣れない土地でひとり、電車で帰る以外に方法はなく、もしかしたらこのまま寒空の地べたに座って朝まで過ごすしかないのかという状態。
ある意味、あの日の自分の判断とラッキーさには感心さえします。
途中まで車で行けると言ってくれた人のご好意をお断りして申し訳なかったけど、もしご一緒してたらそれこそ小さな町で野宿だったなぁとか。
高島屋の開放を教えてくれたおばちゃんに出会えなかったら冷静に見える私でも頭が働かず駅のシャッターの前に座っていたかもとか。
そう、意外と自分だけのことだとパパっと決められるんです私。
あの日のことを思い出したついでにお話しすると・・・
私は解放してくれた高島屋にとても感謝しています。
たぶん、あの日あの場所に居たみんなが思ってると思うし、ほかの場所に居た人も、それぞれお世話になった施設の方に感謝していると思うけれど、私が居た高島屋にいかに感謝しているかを些細だけれど紹介しておきたいと思います。

まず、私がいた化粧品コーナーでは、カウンターの椅子を通路側に出し、みんなが座れるようにしてくれて、さらにはおそらく社員食堂とかバックヤードのどこかから持ってきたであろうスタッキング式の椅子も運んで売り場内に出してくれました。
翌朝気付いたのだけど、アクセサリーなどの売り場には、巻きダンボールのようなものを敷いて、直接床の冷えがこないようにしてくれていたようでした。
お手洗いが階段の踊り場の部分にあるという設計になった建物だったのですが、階段にも帰宅難民となったみなさんが両側に列になって座っているため、お年寄りや小さい子どもや妊婦さんなどは手すりづたいに上り下りできません。
そんなときに、毎回お手洗いへ手を引いて案内する社員さんもいらっしゃいました。
その姿を見ていればなおさら、私たちのような立場の者も、自然と手を貸すことができます。
普段もしデパートで階段を降りようとしているお年寄りがいたら大丈夫かなって思いながらも自然に手を貸すことはできないかもしれない。ちょっと照れ臭いし変に思われてもねなんて思う人も多いでしょう。
社員さんはもしかしたら当たり前の行動でやってることだけど、お手本にもなるのだなぁとおもいました。
また、これはもちろん売り場や商品の安全なども兼ねてのことなのでしょけど、通路に常に若手の社員さんが立ってくれていました。
スーツ姿で、普段の勤務時と同じようにきちんとした待機姿勢で。
おそらく朝から通常勤務をして疲れていたでしょうし、地震に伴う不安は私たちと同じはず。
お兄さん、お仕事の延長だろうけど、座ってもいいってば・・・と思いました。
そうして立っている社員さんは、お手洗いや公衆電話のご案内を始め、電車の情報、近所のコンビニなどのご案内、また携帯の充電が切れた方にショップ内の通路ではないところにあるコンセントを貸し出したりまで、とにかくなんでもに対応されていました。
入り口のインフォメーションでは、車で迎えに来た家族や友人との連絡・館内放送も行っておりました。
携帯同士が通じないので、迎えに来ても大きな駅付近では会えないのですが、避難者が高島屋に居ると一回連絡しておけば、迎えに来た人は高島屋に行きインフォメーションで放送して貰えばいいという流れです。
私はお迎え組ではなかったのですが、これもありがたいなぁと思いました。
そうそう、忘れちゃいけないのが、非常用のビスケットも配って頂きました。
本来は今回で言うところの東北地方でほんとうの意味で被災された方のような場合に使うものなのでしょうけど、夕方一気に店が閉まり、開いている店からはあっという間に食べ物が消え、そのまま途方にくれた人の多くはおなかに入るものを何も持っていなかったようで、ビスケットもとてもありがたかったと思います。
幸い私は先日書いたようにパンを買ってあったので手を付けませんでしたが、みなさんにお配りしてるんでどうぞと配っていただいたのでありがたく頂戴し、帰宅後、その味をかみしめて食べました。
非常用の保存食になった真空パックのものですから、決して美味しくて美味しくてというようなものじゃないのだけど、ありがたくて美味しく感じました。
たぶん、何日も空腹で避難所生活をされている方も、やっと届いた白いおにぎりをいつも以上に美味しく感じて食べるのでしょう。
繰り返しますが、私の被害はほんとうに些細なことで、出会った親切も客観的にみたら普通かもしれない。
けれどそれなりに不安になっていたし、とってもありがたかったのです。
ちょっと落ち着いたら高島屋にこの感謝を告げたいなあと思います。

さて長くなりましたが話を戻して震災から一週間。
この間、特に予定がなくなったのもあって、おすかの散歩とコンビニとクリーニング屋さん(どれも徒歩圏内)しか行ってませんでした。
やっと昨日、母と一緒に車でショッピングモールまで行ってきました。
モール全体が節電体制になっており、薄ぼんやりしているので異様な光景ではありましたが、お店の人がいてお客さんもいて生活が動いているのをやっと実感しました。
もっとも、夕方から停電の予定だったためか、ガソリン不足で節約しているためか、お客さんはかなり少なく、駐車場もガラガラでしたが、普通に生活できる人は普通を保つって言うのもひとつの考えだなあと思ったのです。
品不足の中、普通に買い物をしました。
買いだめとかじゃなく、今欲しい物を買いました。
お菓子も食べたいから買いました。
食べ物がない人もいるのに不謹慎ですか?
お金の流れを止めるのもあんまりよくないんじゃないかと思うのですが。
お金でも電力でもガソリンでも、無駄遣いはよくないけれど、必要以上のしぼりで日本のすべての流れをとめる方向に力を入れるのだけは避けたいと思います。
私はとにかく節電。
買いだめしない。
無駄遣いもしない。
事故や事件で公的機関とかに余計なご足労をかけない。
あとは普通に生活する。

地震発生した日の商業施設と一週間後の商業施設。
場所は違ったけど、接客業もしている身としては、日本って悪くないなあと実感しました。
そして日々勉強。
見習うところは見習って、反省は反省。
by natsue-t_bear | 2011-03-19 10:19 | その他